- 2023.12.20
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日本で唯一のモリンガ提供施設に!
モリンガを断食メニューに取り入れる
世界では有名な健康食品
モリンガを調べるにつれ、スーパーフードだということがわかりました。断食に必要な栄養素、特にアミノ酸がしっかり含まれています。またモリンガは発展途上国で飢餓に苦しんでいる子どもたちの命を助けているということがわかり、安全にバランスよく栄養を摂りながら、胃腸を休めるのにぴったりかもしれないと考えたのです。
前述したように痩せた土地でもモリンガは育ち、少ない栄養価でも元気というのが、断食に似ています。
20万年間も飢餓状態でも進化してきた人類と、そんなに栄養を与えなくてもこんな栄養素がつくれるモリンガは、少ないエネルギーでもちゃんと吸収してちゃんと分解して体をつくれる共通点を持ちます。エネルギーのあるモリンガと断食を私は重ね合わせていたのです。
そう考えると、断食とモリンガをマッチングするのは必然でした。木自体にエネルギーがある。原産国であるインドでは、モリンガの葉っぱをスープにのせたり、細かく刻んでサラダにしたり、普通に使われる食材で知らない人はいません。
さらに、欧米ではサプリメントのモリンガが一般的です。日本ではモリンガは珍しいですが、世界を見ると多くの人が重宝している植物なのです。
モリンガのことを調べるうちに、日本でもモリンガの輸入量が増えていることがわかりました。これは数年後には日本でもモリンガが知られ始めるのは間違いないと考え、モリンガを私の断食施設「海の杜」のメイン食材にしようと決心しました。
とはいえ、日本に輸入されるモリンガの絶対量が少ないのは事実です。せっかくメイン食材にしても、一定量を手に入れないといけません。モリンガの健康食品はネットを中心に多く売られていましたが、安易にそれを使って断食メニューに取り入れるのは避けたかったのです。添加物が含まれていない安全なものを、原料からきちんと入手したかった。
ある日のこと、以前に勤務していた断食施設にサプリメントを納品していた健康食品会社の社長さんと会う機会がありました。その社長さんにモリンガの話を相談したら、「モリンガを扱ったことがあるけど、あまり売れなかった。でも、サンプルはあるから」と、インド産のモリンガを5キロ送っていただけることになったのです。
そこには栄養バランスの表示もあり、間違いないと確言しました。さらに原料を取り扱う会社も紹介してくださり、一番いい品質のものを手に入れられるようになりました。そうなるとモリンガの輪は広がっていきます。モリンガ商品を発売する会社の社長さんなど、モリンガがもたらす輪が構築されていきました。
モリンガはおいしすぎる!?
断食施設「海の杜」のメイン食材はモリンガに決定、そしてモリンガを入手するルートもできました。ただ、大きな問題が一つありました。
それはモリンガの味が、あまりにもクセがないことでした。
私の偏った考えかもしれませんが、断食食はおいしすぎてはいけません。まずいけど健康にいい。たとえば青汁やしょうがジュース、黒酢ジュースなど、おいしくないほうが効いた気がするものです。味覚から「健康にいいんだ~」という我慢する情報が脳に届けられることで、体が反応するというわけです。
モリンガは効用については完璧ですし、名前もインパクトはありますが、意外においしいのです。日本全国から「海の杜」にわざわざ来ていただくには、味にもインパクトが必要なのではないかと思うようになったのです。
しかし、その考えは自分自身ですぐに改めました。「栄養にいいものをそのまま提供するのが正しい。わざわざインパクトのある味にするために改悪するのは本末転倒だ」と。
そこからは断食の際の栄養補給を意識し、リンゴを合わせたり、豆乳を合わせたりして、モリンガ断食レシピを研究していきました。
多くの断食施設で酵素ジュースを提供していますが、難点はたっぷり飲まないとカロリーが取れない点です。
その点、カロリーもきちんととれ、1杯で満足感が得られることを意識し、完成したのがモリンガジュースとモリンガ豆乳ラテでした。
断食施設「海の杜」提供モリンガジュース
モリンガパウダー+リンゴジュース
「海の杜」のメイン断食メニューがモリンガジュースです。
基本的にモリンガパウダーが2gに、リンゴジュースを200gを入れて、朝と夜に計2杯を提供しています。
ジューサーにかけて出すと、どうしても時間が経つにつれ酸化してしまうため、レモンを足して酸化防止しています。だいたいりんごが400gで、それを絞ったら200gのジュース。カロリーは250カロリーくらいです。
成人の1日に必要な最低カロリーは1200カロリーといわれていますが、モリンガジュースは1日2杯で500カロリーくらいですので、その半分以下です。一緒に梅干しを出します。塩分が若干足りなかったりすると、むくむからです。水分の摂り過ぎの人は、酵素ジュースやにんじんジュースだけでもむくみます。
モリンガ豆乳ラテ
豆乳+モリンガで腸内環境を整える。断食をする人はさまざまな結果を求めます。ただ、前述したように腸の活動を改善することは誰もが共通する効果です。そのため、腸内環境を整える豆乳をモリンガと組み合わせたメニューを考えました。
モリンガパウダー2gと豆乳200gをよくかき混ぜて、大さじ1杯のはちみつを入れて、カロリーを足しています。豆乳だけではカロリーが足りないからです。
豆乳に含まれるイソフラボンは女性にとってよい成分で、美白効果があります。
モリンガパウダーは抹茶と同じなので、ラテにしてもおいしいです。モリンガにはごまも合いますし、ご飯にかけるふりかけとして断食明けの補食にも使っています。
モリンガを使った回復食
回復食までが断食メニュー
断食施設「海の杜」で提供している回復食は、基本的には重湯と味噌汁、大根おろし、漬物です。重湯にモリンガふりかけをかけてもらうというのが定番です。
次の段階がおかゆで、味噌汁にふのり、岩のりなどの地のものを入れます。あとは、ひじき、おから、かぼちゃ、ごぼうの煮付け、大豆の小鉢、納豆をつけます。納豆にはモリンガをかけています。
そして最後に玄米の普通のご飯に、具が入ったお味噌汁、干物、あとは黒豆などの小鉢です。せっかく伊豆に来ていただいたので、干物は伊豆近海のキンメや、シラスといった地のものを出すようにしています。消化のよいもので、よく噛めるもの。とろろもいいので、そばと一緒に最後に出すこともあります。
3~4日の断食回復食メニューでは、重湯↓おかゆ1回ずつの回復食を出します。
1週間の断食回復食メニューでは、断食明けの1日目が朝夕に重湯と昼にモリンガジュース、2日目が朝夕におかゆ、昼間はモリンガジュース、3日目の帰りが、玄米の普通のご飯。
消化器官をゆっくり戻すために、朝夕は食事メニューと昼間はジュースにしています。大根おろしが消化酵素を助けるので、味噌汁の具には大根が多いです。ここまで回復食を摂れば、帰宅後は何を食べていいですといってます。とはいえ、腹八分目は守っていただきたいですが・・・・・・。
これできっかけができて、今まで食べ過ぎだったのかと気づいて帰ってもらうことを、断食施設「海の杜」の基本的な考えとしています。
利用した方々は今までの食べる量とスピードが変わるとみなさんいいます。
断食のまま帰りたいという人もいますが、大切なのは、戻す作業。実は断食は我慢すれば誰でもできますが、戻す作業でみなさん開放感から、ガーッと食べてしまいがちです。すると、どうしてもリバウンドしてしまうのです。
また、断食によって体の巡りがすごくよくなっているため、ここからは食べ始めるよ、というサインを脳がキャッチし、今食べないとまたエネルギーがなくなってしまうと判断してしまうのです。
そのため、細胞がすごく吸収してしまう前に、「あっ、このくらいでいいんだ」とセーブすることが大切です。胃袋の大きさをそのまま固定させることが大事です。
5日間の断食に成功、そのあと帰って、お祝いにラーメンとご飯と餃子をバカ食いでは努力がムダになってしまいます。
せっかく縮まった胃がまた膨らんでしまうからです。
断食の旅、新たな始まりへの第一歩
断食の日々が終わり、あなたは新しい自分に出会いました。
体と心がリセットされ、不要なものが浄化された感覚は言葉にできない喜びと軽やかさをもたらします。
しかし、この舞台裏には一連のプロセスがありました。痩せた土地が花開くように、あなたの内面も蘇り、新しい可能性が広がっています。
断食明けの回復食で体に優しい食材を摂りながら、ゆっくりと食べる喜びを感じてください。食べ物が口に運ばれる瞬間、それが身体に取り込まれ、新しいエネルギーとなる様子を心で味わいましょう。適度なサイズの食事で、細胞が満ち足りるまでの時間をかけ、愛おしい身体と向き合ってください。
断食の功績は単なる体重の減少だけではありません。あなたは自分と向き合い、内なる声に耳を傾け、食べることの意味や、心身のつながりに気づくでしょう。
これらの気づきを大切にし、新しい食事習慣に取り入れていくことが、健康で充実した生活への鍵です。
断食は一時的な我慢だけでなく、心と体の調和を取り戻すための深い冒険でもあります。
今後の食生活で、適切なバランスと節度を保ちながら、感謝の気持ちを忘れずに食べること。これこそが、断食から学んだ真の贈り物です。
新しい食生活へのスタートは、あなたが望む未来への一歩。これからも身体と心に寄り添い、自分らしい生き方を見つけていってください。断食の旅は終わりを迎えましたが、新たな始まりがそこに広がっています。感謝と愛をもって、健康で幸せな日々を歩んでいってください。
出典:「スーパーフーズモリンガ断食 断食施設に21年間勤めた私が学んだ断食メソッド」吉田益也 (著) 出版社:徳間書店