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海の杜
2023.12.20
CategoryBLOG

断食施設に訪れる人々

断食施設にはさまざまな人が訪れます。慢性疾患を治す人もいれば、高血圧・糖尿病の予防や体調管理のために訪れる人もいます。

”食事療法”

ある日、20代の若い外科医がやってきました。「2泊3日の断食で、その効果を試してみたい」

2泊3日では断食の効果を望むのは難しいかもしれないと告げると、「断食や食事療法などというものは、学校でも医療現場でも習ったことはないから実際に経験したい」と話しました。

世の中は断食がブームになっており、雑誌の特集記事の中には「断食でガンが治る!」といったきわどい内容のものも散見されていました。

このような風潮に医師としては看過できなかったのでしょう。ガンが見つかったら切るのが外科医、取れるガンはすべて取り、その後、見えないくらいの小さなガンは抗ガン剤と放射線治療で治す。それがこの若い外科医だけでなく、医学の常識でもありました。

ただ、その若い外科医には断食を自身で確かめたい出来事があったのです。

”ガンが完治していた”

ある時に一人のガン患者が手術を断ったそうです。もちろん抗ガン剤も放射線治療も拒否。そして「食事療法をします」と告げて、若い外科医の前から去っていきました。それから1年後、そのガン患者が若い外科医のもとに帰ってきました。そして検査を行ったところ、1年前にあったはずのガンはきれいになくなっていました。

再検査をしても、どこを見てもどんなに探してもガンは見つかりませんでした。きれいに完治していたのです。

若い外科医は信じられませんでしたが、ガンが消えているのは事実です。しかも、医大の授業で習った治療法以外で。その患者にこの1年間、何をしたのか問うと「断食をはじめとした食事療法」と答えました。

そこで若い外科医は百聞は一見に如かずと、断食施設に訪れたのでした。そして断食をしている人の数を見て驚いていました。2泊3日の断食メニューを経験し、手術以外の選択肢が存在することを知り、そしてその選択肢が間違いだとはいえないことも実感して帰られました。

この若い外科医は珍しい例ではなく、意外にも多くの医師が断食施設にやってきます。医師という職業は日中の激務に加え、当直や夜の接待も多いなど、生活リズムは不規則です。また、カップラーメンやコンビニ弁当の早食いも当たり前で、食生活は乱れています。

まさに”医者の不養生”。そのためか、多くの医師が少ない休みを利用して断食施設へやってきました。そして断食施設で体験したことや教わったことを医療現場で活用されている医師も少なくありません。

ダイエットが必要な患者さんに対して、断食経験を生かしてアドバイスをしたり、薬に頼らず自分の体を自分でコントロールすることを説いていくそうです。

するとのちに、その患者さんがすっかり痩せて診察室に入ってきます。医師は驚いて、患者さんに「どうやって痩せたのですか?」と聞くと、患者さんは「先生が教えてくれた通りにやったら痩せました」と返したそうです。

こうなると、医師は新たな断食の知識や方法を仕入れなければいけません。仕方がなく断食施設に足を運ぶことになります。ダイエット目的や健康のため、仕事のためと様々な目的を持った方々が断食施設に訪れます。

これらのエピソードを通じて、我々は健康に対する新たな視点が広がっていることを感じます。医学の枠を超え、食事や生活習慣の重要性が再認識されています。断食がもたらす驚異的な効果は、単なる減量手段だけでなく、病気へのアプローチとしても大きな可能性を秘めていることを示しています。

医師たちが断食を実践し、その経験を患者に伝えることで、新たな治療法や健康習慣が広がりつつあります。これからも医療の進化と共に、私たちの生活に取り入れられる新たな方法が見つかることでしょう。

断食施設を訪れた多くの人々が、自身の健康を取り戻し、生活の質を向上させていく様子は、希望に満ちています。食事の大切さ、体の声に耳を傾けることが、健康と幸福への鍵を握っているのかもしれません。

これからも新たな発見と共に、私たちの健康への理解が深まり、より良い未来が広がっていくことでしょう。健康な未来への第一歩を、一緒に踏み出していきましょう。

 

 

出典:「スーパーフーズモリンガ断食 断食施設に21年間勤めた私が学んだ断食メソッド」吉田益也 (著)  出版社:徳間書店