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断食効果・デトックスに関する記事
2023.12.20
CategoryDETOX

断食を行う目的:なぜ人々が断食を選ぶのか?その目的を解き明かす

断食を行う目的を自覚する①

食べ過ぎの自覚

人生において、食べることは幸福の一環ですが、断食はその幸福を一時的に遮断する困難な試みです。断食の主要な目標は、単に食欲を制御することではなく、食べ過ぎに気づき、そして自己認識することです。断食を通じて食の喜びを再発見でき、食に対する価値観が変わります。

ある社長は断食施設を利用し、「断食明け何を食べようか」と楽しみながら考えていました。秘書には「ステーキ屋を予約しておいて」と指示を出しましたが、実際には断食明けにステーキは食べたくなかったと語ります。結局、蕎麦屋に行き、一口ずつ丁寧に味わって食べたとのことです。断食により、ヘヴィーな食べ物が体に合わなくなり、一食で努力を無にすることに抵抗が生まれ、もったいないと感じるようになります。

 

ただし、この感覚も永続的ではありません。欲望に逆らうことは難しく、環境が変わり日常に戻れば、これまで通りの食事に戻ってしまうでしょう。断食を経験することで、食べ過ぎに注意を払うようになります。以前は気にも留めなかったおかわりを控えるようになり、3時のおやつのスウィーツを減らす決断を下すかもしれません。

これが断食の成功事例です。必ずしも質素に生活する必要はありませんが、食べ過ぎに注意を払うことが重要です。食べることも楽しみの一環なので、思い切り楽しむことが大切です。

現在、多くの人が糖質制限を実践していますが、それもまた一種の断食であり、これまで摂り過ぎた糖質を控える行為に通じています。お酒や辛いものが悪いとは言いません。全ては摂り過ぎが問題なのです。

 

断食を行う目的を自覚する②

内臓の声を聞く

腸内環境を整えることで免疫力がアップし、断食は内臓を休める根本的な方法です。通常は黙々と働く胃腸が異なる動きを見せ、肝臓や脾臓もエネルギー代謝を活発化します。

内臓は優れた働き者で、休息しつつも問題の箇所を修復し、老廃物を除去するなど、通常できなかったことを進んで行います。これは休日に家の掃除をするのと同じです。普段多忙な人は大掃除が必要ですが、いつも部屋を綺麗に保つ人は少しの片付けで事足ります。

体内でも同じです。休息を与えると、内臓はメンテナンス作業を行い、より強靭な体を築き、外敵から身を守るための免疫力を高めます。

免疫力の向上メカニズムを解説しましょう。免疫力の鍵は腸にあります。腸は食べ物を消化・吸収し、排泄する器官であり、侵入する有害な病原菌やウイルスから身を守るために免疫力が備わっています。実際、免疫力の60%は腸にあると言われています。

したがって、腸内環境を良好に保つことで免疫力の低下を防ぐことができます。腸内細菌のバランスを整える食品としては、ヨーグルト、漬物、味噌などの発酵食品が代表的です。食物繊維やオリゴ糖も、免疫を担当する細胞のバランスを改善します。また、ポリフェノール類やn-3系不飽和脂肪酸も、腸の免疫力に大きく関与します。

腸内環境を整えるだけでなく、免疫細胞自体を活性化させるには、タンパク質も必要です。ビタミンAやビタミンEも細胞の免疫機能を保持し、亜鉛やセレン、銅、マンガンなどのミネラルも免疫細胞を保護するために不可欠です。これらは「微量ミネラル」と呼ばれ、体に必要な栄養素です。

断食を通じて、胃腸が休息し、適切な栄養素を摂取することで、腸内の善玉菌が増え、免疫力が向上します。

目的②

断食を行う目的を自覚する③

断食ハイを味わう

脳と体が切り離された感覚、断食を経験すると、1日の時間が長く感じられます。これは感覚だけでなく、通常、私たちは日常の中で食事に多くの時間を費やしているためです。買い物、料理、食事、後片付け。これを1日3回繰り返しています。

断食の利点は、食事にかける時間が短くなり、余った時間を活用して自分の内面を見つめなおすことができることです。

初めて断食施設を訪れる人々は、通常、恐れや不安を抱えています。しかし、実際に試してみると、お腹が空いたり眠くなったりするわけではなく、逆に空腹が楽しいと感じることがあります。これが通常「断食ハイ」と呼ばれる状態です。

断食ハイは一定期間の空腹感を越えると、脳や体内が軽くなり、視野が広がり、リフレッシュした感覚が得られます。また、体が若返っていく感覚を実感する人もいます。

お腹が鳴ることが若返りの兆しであると感じることもあるそうです。こうした気づきを得ると、お腹が空くことが喜びとなります。

内臓の声に耳を傾けることで、通常は聞くことのできない新たな発見があり、断食中には喜びが広がります。「今、胃腸を休ませてメンテナンスをしている」「きれいな血液が体を巡っている」「内臓にたまっていた脂肪が分解されてエネルギーとして使われている」など、自分の体について考えることができます。

目的③

心地よさを体感しよう!

断食に成功する人、失敗する人

断食は修行にあらず

断食を継続できる人、1回で挫折してしまう人、あるいは途中で空腹感に屈して断食を諦める人もいます。しかしながら、私の経験から言えるのは、初めて成功する人が継続できる傾向にあるということです。つまり、初めての断食が極めて重要であるということです。そのために、初めは断食施設を利用することをお勧めします。

断食に成功する人々は、多くが断食ハイを経験し、達成感を感じます。この感覚は脳に記憶され、再び断食に挑戦したいという欲求を生むことがあります。こうした成功体験が、断食をポジティブな活動としてとらえる理由です。

一方で、断食を難易度の高い修行とみなすと、嫌気が差します。確かに、一部の宗教では断食が採用されていましたので、修行として考えることも理解できるかもしれません。ただし、現代の断食(ファスティング)は、その雰囲気や概念からも見て、エンターテインメントやアクティビティの一環としてとらえた方が近いでしょう。

そのため、軽い気持ちで取り組み、心地よさを体感し、楽しむことが重要です。そうしたアプローチが、断食を日常に取り入れる一助となります。

断食施設での経験から言えることは、成功する人は自らお金を払って断食を選ぶ人が多いということです。一方で、強制的に連れてこられた人たちや、不本意ながら断食を行う人たちは、断食特有の反応が出ないことが多く、その違いは明確です。

娘さんからのプレゼントで来たというお父さんも最初は渋々断食を行っていましたが、途中から反応が出てきたことでやる気がわき、最終的にはスッキリとした表情で帰っていきました。このように、反応が出るとモチベーションも高まるようです。

断食中には体重が減らない人もいますが、帰宅後に腸が活性化し、劇的な痩せ方を実感する人もいます。反応は様々で、見た目に現れなくても老廃物がデトックスされ、むくみが取れたり、体内のクリーニングが行われているのです。

初めての断食でも、2〜3日の短い断食なら繰り返しやすいでしょう。休みが3日しか取れない場合は、前日から自宅で断食を始める人もいます。そうすると、「今度は1週間の断食に挑戦したい」「月に1度は断食を行う」といった断食への欲望が芽生えます。こうして断食の継続性とストイックな性格が形成され、趣味としての断食が育まれていきます。断食ハイを味わうと、中毒性が出てくるのです。

 

出典:「スーパーフーズモリンガ断食 断食施設に21年間勤めた私が学んだ断食メソッド」吉田益也 (著)  出版社:徳間書店